探偵業を始めてみたいという方のために、探偵事務所の開業に必要なものや準備、手順、費用などについて記載しています。
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まずは探偵事務所開業の届出
探偵業を開業するためには「探偵業法」や「探偵業法施行規則」に従い、「探偵業開始届出書」による届出を行う必要があります。
届出先は探偵業法四条及び探偵業法施行規則第一条、第二条に基づき「各都道府県公安委員会」に提出する必要がありますが、「営業所所在地の所轄警察署」に提出をすることで都道府県公安委員会に提出されます。
例えば東京都の場合、警視庁の生活安全総務課がその窓口となっています。
届出に必要な「探偵業開始届出書」は警察署ホームページから書式をダウンロードすることが可能です。
※東京都の場合
探偵業届出等様式|警視庁
開業に必要な書類と費用
上述の「探偵業開始届出書」に加えて下記の書類が必要です。
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- 履歴書
- 住民票
- 誓約書
- 登記されていないことの証明書
- ※登記されていないことの証明書は法改正がありましたので、身分証明に変更になりました。
- 身分証明書
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届け出に際しては、手数料として「3,600円」かかります。
また申請者が法人の場合は定款の謄本、登記事項証明書、役員に係る履歴書、住民票の写し、登記されていないことの証明書、身分証明書、誓約書が必要になります。
探偵業開業の届出は探偵業を開始する前日までに提出しなければなりません。
探偵を開業できない欠格事由
探偵業は原則として誰でも行うことができますが、探偵業法第三条に「欠格事由」が定められており、下記に該当する方は探偵業を開業することはできませんので事前にご確認ください。
(1)成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
(2)禁錮以上の刑に処せられ、又は探偵業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
(3)最近5年間に営業停止命令・営業廃止命令に違反した者
(4)暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
(5)営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が 1 から 4 及び 6 のいずれかに該当するもの
(6)法人の役員のうちで1から4までのいずれかに該当する者
探偵事務所はどこで開業する?
もしあなたが探偵事務所を開こうと考えた場合、どの場所で開業するか?は非常に重要となります。
立地が重要なのは探偵に限りませんが、探偵という特殊な仕事により一般的に求められるものとは多少異なるかもしれません。
人通りの多い場所
好立地といえば人通りの多い繁華街、と考える方も少なくないと思われます。
確かに人通りの多い繁華街に事務所を構えれば注目度はアップしますし、多くの人の意識に留まって依頼者が増えるかもしれません。
また、依頼者が事務所を訪問しやすいという大きなメリットがあります。
しかし、探偵事務所という仕事の特殊性を考えた場合、必ずしも人通りの多い繁華街での開業はベストの選択とは言えません。
探偵に依頼を考える人の中には「人目を避けたい」と考える人も少なくないからです。
探偵に依頼をしたことが誰かにばれたらまずいと考える依頼者にとって、人通りの多い繁華街にある事務所に入ることは非常にリスクのある行為です。
通行人の中にたまたま知り合いがいたとしたら、探偵事務所に入る姿を見られて噂になってしまう可能性があります。
人目を避けたいと考える依頼者にとっては、繁華街という立地は好立地どころか不適切な立地なのです。
また、繁華街の物件は賃料が高いという現実的な問題があります。
探偵業にとって好立地に事務所を構えるメリットは、他の客商売と比べるとやや劣るといっていいでしょう。
高い賃料に見合うだけのメリットがあるかどうかをよく考えておかないと、途端に賃料が負担になって経営に行き詰まってしまいます。
人通りが少ない場所
では人通りが少ない場所に事務所を構えるのはどうでしょうか。
人通りが少ない場所にある物件は賃料も安く、資金が少ない方でも開業できるというメリットがあります。
その代わり通行人の目に留まることは少ないですから、依頼者となるお客さんを確保するためには広告宣伝活動に力を入れる必要があります。
しかし、今現在、探偵の顧客はネットなどの広告宣伝で知ったという人が大半を占めており、人目につかない立地の悪さというのは経営に大きなマイナスとはなっていません。
但し、あまりに交通の便が悪い所に事務所を構えると依頼者が尋ねにくいというデメリットがあります。
実際に事務所を訪ねて確認したい、会って話したいという依頼者はもちろんいますので、そういった依頼者には例えば車で最寄り駅までの送迎が可能な準備はしておきたいところです。
探偵事務所開業に良い立地とは
探偵事務所にとって良い物件とは、一般的に好立地とされる物件ではなく「賃料の安いそこそこ便利な物件」といえるかもしれません。
事務所の立地によって今後の営業方針や活動の方向まで左右されることになりかねませんから、慎重に検討したうえで事務所を開く場所を決めてください。駅前である必要はありません。